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「人民網」インタビュー仮訳

Q: 貴殿は企業の価値と知識産権の関係について、どう思われますか?
A:
 この関係の変化は非常に速く変化しています。20年前まではただ知識産権の保護だけだったのですが、その後、知識産権は産業競争力の一種の武器となり、攻撃用の工具として他の企業を抑えつけました。そして現在は、第三段階、即ちイノベーション強勢の時代に入りました。この時代では、専利はさらに重要な位置に変わりつつあります。市場を開拓する際、知識産権のリスク管理はさらに重要となっています。以前専利は保護だけに使用されていましたが、現在は開放、授権にも利用され、さらに無料で使用されることすらあります。この方式で、パートナーを増やし、市場を大幅に拡大させることが可能となります。専利にはいろんな使用方法があります。例えば、専利を取得し、専利権で攻撃します。あるいは専利取得しない場合、商業秘密の方式等にて保護します。もう一種類は専利を標準に取り込むことです。現在、専利をイノベーションに活用する方法はたくさんあります。このように、20年から30年までの間に知識産権は大きく変化しています。
 それでは企業との関係について述べさせていただきます。みなさんがご存じの通りに日本は資源が貧しい国であります。ですので、ずっと事業の発展に力を入れています。日本と違って、中国は豊富の資源と広い土を持ち、日本より10倍の人口も持っています。もし中国人のみんなが知識産権事業に集中するとしたら、日本にとって大変恐ろしいことだと思います。専利の数量をみると以前アメリカは第一位、日本は第二位、しかし、現在中国は日本を超える勢いです。日本人にとって、これもとても「恐ろしい」事です。以前から日本は中国から文化を受け、今回日本が恩返しをするチャンスだと思って頂きたいのです。中国は日本が恩返しをするのをしばらく待ち、日本が中国に対するお礼をし終えてかてから発展していただきたいものです。

Q: 知識産権分野では中日両国とも勝つことが実現出来るのでしょうか。
A:
 私は競争と共生は共存すると思います。競争だけはだめですし、協力だけならばお互いの優勢がなくなります。したがって、双方ともこの平衡点の位置を模索しています。従来の主流は専利が一種の独占でした。現在は技術の交流、専利の共有まで発展してきました。但し、異なる分野では異なる問題も続いています。昨日私は秀水に行き、多くの店舗に偽物が売られているのを見て、大変に悲しく感じました。他方では多くの人が偽物を作らない、売らないと言っています。技術交流問題もあり、異なる分野では異なる競争と協力が存在することを皆さんに理解して欲しいと思います。

Q: 妹尾教授が売れ筋の商品の法則を研究したことを聞きましたが、売れ筋商品の研究開発過程については、如何に自分の知識産権を侵害されないように保護されているのでしょうか。
A:
 売れ筋商品は単純にブランド効果だけではなく、技術の効果問題もあります。最大のキーポイントは消費者に価値を感じてもらえるかどうか問題です。我々がやるべきことは、消費者に対して喜び、驚き及び満足感を与えることです。この時に我々は従来とは違う考え方を消費者に提供しなければなりません。売れ筋の商品となれば、知識産権問題が発生します。我々が知る限り、売れ筋商品をつくり、新しいマーケットを開発するためには自分のパートナーを増やさなければなりません。その時には知識産権を有効に使うことが重要です。本当によい売れ筋商品は、知識産権との関係がますます緊密になり、最後にグローバル化によって市場を形成することを導くのです。

Q: 知識産権環境方面における中国と日本の間で如何に改善すれば、共に勝つ局面になるのでしょうか。
A:
 日本は現在、中国が日本製品を模倣していることを不幸であると認識しております。我々が望んでいるのは、中国側が努力して印象を変えることです。この前提で、中国と協力すべきだと日本政府も意識し、アジアのために何か出来ることがあればよいと思います。たとえば、協力してアジアの標準体系を樹立することがあります。欧米は自分の標準を樹立しています。一方、アジアについては特有の状況があるため、中日が協力し合い、標準制定分野における発展ができます。その他、公共的社会基盤の基本建設の方面では日本が力を貸すこともできます。日本にとって、中国市場は非常に魅力的な市場であり、日本の企業が容易に中国市場に入ることが我々の希望です。同時にさらに多くの中国商品が日本の市場に入ることを歓迎します。もし中国の印象が知識産権を重視するように変わり、強化されれば、日本も中国に対して改めて認識し、また様々な面で協力していく動きが加速するでしょう。日本でも「開襟する」という言い方もありまして、将来的に日中双方がお互い「開襟する」ことを我々も希望し、協力していきます。知識産権の協力時代を迎えてきたと私は思います。

Q: 中国においては、手本と盗作の境目が何処にあるかという議論がありますが、貴殿はどう思われますか?
A:
 ミクロの角度から見れば、即ち誰が誰を真似したのかということになりますし、マクロの角度から見れば、全世界の人はどう思うのかということになります。知識産権を手本とすることと模倣については、一番よい方法は世界とマッチングすることです。ミクロの角度からみて、商品が一目で同じあるいは非常に似ているのであれば改善して欲しいと思います。発明特許の最大の前提は、世界で初めて現れたことですが、各国において状況は変わっています。日本、アメリカ、欧州は世界範囲の特許制度を推進しています。即ちある専利が初めてある国に現れたら、全世界範囲でこの専利を保護すべきです。何故かというと、専利の定義は世界的に始めて発明されたものだからです。中国が我々のパートナーになり、一緒に世界範囲内での規則を制定することを望んでいます。