NPO法人産学連携推進機構

デジタル・ネットワーク技術の進展は、多様な分野において加速度的に進展しています。特に、我々の身近で急速に影響を与えているのがマーケティングに関するイノベーションでしょう。

ひっきりなしに広告宣伝のメールが届きませんか？　Webサイトで買い物をしようとすると他にも興味をそそる商品の紹介が出て来ませんか？　サイトで検索をすると関連するバナー広告がならびませんか？　これらは、過去のネット利用の実績データを基に、いわば「個人別にカスタマイズされた宣伝広告」です。今後は、さらに実店舗における購買実績などと関連づけられて、「個客ターゲット」の宣伝広告が進化していくでしょう。

しかし、このような動きは単なる宣伝広告の進展だけではなく、従来の人口動態的属性別マーケティング、ライフスタイル・マーケティング、感性マーケティング等を超えて、「行動（ビヘイビアル）マーケティング（個々人の行動履歴に基づき、そこに焦点をあわせて行われるマーケティング）」が本格化していることを意味しています。それは「インターネットとモバイルによるマスカスタマイズド・マーケティング」の到来であり、従来の４大メディア（TV、ラジオ、新聞、雑誌）を基盤とした「マス・マーケティング」時代の終焉を意味するのかもしれません。しかも、単に宣伝広告やマーケティングを変えるのみならず、ビジネス自体のイノベーションを起こし、それを通じて産業生態系自体の変革を促すものになりえるかもしれないのです。

そこで、今回はゲスト講師として、長年広告業界で活躍され、現在グーグルで様々な企業のマーケティングのデジタル化推進に尽力している武田隆氏（グーグル株式会社　執行役員）をお招きしました。武田氏には、グーグルが仕掛ける世界的なマーケティングのイノベーションをご紹介いただくと共に、日本における活動と展望をお話いただく予定です。

後半は、妹尾堅一郎校長役（産学連携推進機構理事長）とのトークセッションです。マーケティングに留まらず、このグーグルのビジネスが、ICTの進展により生じるビジネスモデルの変革と繋がり、さらに産業生態系に与える影響等について議論と意見交換を行っていただきます。

さらに、いつものとおりの参加者の皆さんとの意見交換・懇親会もあります。イノベーション交流の場として、是非ご活用ください。